6月28日(日)、盛岡に到着。岩手大学
図書館での閲覧は月曜日にお願いしましたが、せっかく遠くまで行くので前日に盛岡に入り、町を一巡り。「海道東征」関係でも、見ておきたい場所がありました。岩手で海道東征が上演された「岩手県公会堂」です。
この岩手における上演の記録、当日の次第(プログラム)の類は、岩手大学内には残っていないそうで、私は、渡部精治先生から、卒業生のクラスが出した本に掲載された記事をいただきました。あとで書名を確認したところ、以下の本からの複製だそうです。
『卒業50周年記念誌<黙示>』(岩手師範昭和19年卒同期会、卒業50周年記念誌編集委員会 編・発行 1994.9)
関係部分を抜書しておきます。(旧字、漢数字は置き換えています)
岩手師範学校開校記念音楽演奏会曲目
期日 昭和18年7月17日(土)午後7時開会
会場 岩手県公会堂
演奏
第一部
一 混声合唱 男・女 本科生
(イ)君が代
(ロ)海行かば
(中略)
[第二部]
九 混声合唱 男・女 本科生
(イ)みたみわれ (大政翼賛会制定)
(ロ)海道東征 (信時潔)
第一楽(ママ)章 高千穂
テノール独唱 男本三ノ一 藤沢章一郎
バリトン独唱 同 遠藤勇蔵
(後略)
主催 岩手師範学校
このプログラム掲載ページには、当日の混声合唱のステージ写真も載っています
なお、この日の第三部では、東京音楽学校の千葉靜子がアルト独唱で平井保喜(のち康三郎)作曲「平城山」のほか、「君よ知るや南の国」「ハバネラ」を披露、星野すみれがピアノ独奏でショパン「即興幻想曲」、リスト「嵐」などを披露しています。
-----というわけで、その盛岡初演の舞台となった「県立公会堂」に、行ってみました。 夕方 6時頃でしたので、受付は閉まっていました。
こちらが正面玄関側。
設計者は、東京の日比谷公会堂や、早稲田大学の大隈講堂の設計で知られる佐藤功一博士。 なんと、岩手県公会堂は日比谷公会堂(「海道東征」全曲初演が行われたホール)より2年早く完成したそうです。
たしかに日比谷公会堂に似ていました。
こちらがホール入り口。
本当はホール内も見てみたかったのですが、叶いませんでした。もっとも、ホール客席やステージは、戦時中とは変わっていることでしょう。
そして、この翌日、岩手大学で「海道東征」手書き譜と対面します。
(つづく)
http://noblogblog.blog.shinobi.jp/Entry/43/「海道東征」の手書きスコアが盛岡に? (其の3)
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