続いて
『SP音源復刻盤 信時潔作品集成』
の外側の話。
中に入ってる各CDのケース内のカード(インレイカードと言うそうです)のデザインについて。
これも奥付に書きましたが。
共益商社書店の初版譜のイメージから作りました。
渋めの地色に、タイトル部分は白抜き。それだけ。・・・・というこのシンプルさ。
今となってはその事情を確かめることは出来ませんが。
私は信時潔という人の趣味だろうと直感しました。
遺作の「女人和歌連曲」の出版譜は没後に作られたもので、鮮やかな赤に近い橙色。
本人が関わらなかったこの例などと比べると、尚更そんな気がしてきます。
共益商社書店は昭和10年前後の出版譜ですから、いくら状態の良い物でも
幾分の色あせはあって、本当はどんな色だったのか、わかりません。
また、インレイカードにするにあたって、出来るだけ近い色を選んだつもりですが、
印刷時の色の出具合も難しいもので。
DISC-1 から DISC-6まで、それぞれ
桜花の歌、鶯の卵より、独楽吟、沙羅、紀の国の歌、やまとには
の色を使っています。
桜花の歌は当然「さくら色」。鶯の卵よりは「うぐいす色」。沙羅は渋い「藍色」。
独楽吟は日本の伝統的な「むらさき色」。紀の国の歌と、やまとにははそれぞれ緑色ですが、
微妙にトーンが違っています。
カラー写真でも、なかなかこれらの色は表現できません。
新響社の出版譜も、並べてみると、いかにもシンプルで「信時潔らしい」と思えます。
いつかどこかで、初版譜の実物をごらんになる機会がありましたら、思い出してください。
http://noblogblog.blog.shinobi.jp/Entry/3/インレイカードデザイン
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